「片付けられない」
あなたの周りに困っている人はいませんか?片づけられない原因は、人によってさまざまです。
病気や離婚、家族との死別など環境の変化が原因で一時的にオーガナイズ(片付け)ができない状態のことをSD(situational disorganization)状態といいます。
私はこのSD状態を経験しました。当時どのような状態で、何がきっかけで立ち直れたかについてお伝えします。
【片付けられない】ワンオペ育児から心身のバランスを崩す
これは、こどもたちが、5歳と1歳の頃の思い出の写真です。
二人の笑顔とはうらはらに、当時私の心の中はどんよりと重く、沈んだものでした。
片付けができなくなったきっかけは、夫の異動でした。
夫の職場は激務の連続で、「しばらく家のことには何も関われない」とすまなそうに言われ、私は家事も育児も自分一人で頑張らなきゃ、と必死でした。
実家は遠方、私の両親は持病があり頼れない。夫の実家にもそうそう頼ることはできない。
長女の幼稚園の運動会もひとりで出席、次女が熱を出したら病院へ行き、罪悪感を感じながら職場に休みますと電話する。
とにかく目の前のやることでいっぱいいっぱいでした。
【片付けられない】足の踏み場のない部屋
私の気力と体力の限界が来たのは、その年の冬。病気で約1カ月間入院することになりました。
こどもたちは、義母に預かってもらい、ひたすら病院のベッドで寝ていました。
その間も「このままじゃ仕事にも穴をあけてしまう、こどもたちの世話もできない。すぐに退院しなきゃ」ただただ、焦っていらだっていました。
その後、退院してからも体調がすぐれず、寝てばかり。家事はほとんどできず、部屋にもモノがあふれ、どこもかしこも足の踏み場がないほど荒れていきました。
最初は、心配してくれた夫も、グズグズ寝てばかりの私と散らかっていく部屋に耐えられなかったのでしょう。
ある朝、起きてみると、部屋にたまっていたゴミが裏庭に投げ捨てられていました。私は泣きながらそれを拾い集めました。
【片付けられない】寄り添ってくれた義母
そんなある日、「火災報知器の点検で家の押入れをみせてください」という連絡が入りました。押入れは詰め込んだモノで溢れていました。
「どうしよう、こんな空間見せられない~」泣き言をいう私に、救いの手をさしのべてくれたのは、たまたま手伝いに来てくれた義母でした。
「まだ、時間があるからこれから一緒に片付けよう」
そして、ひとつひとつ手にとって「これは使う?それとも使わない?」とモノの選別を手伝ってくれました。義母がそばについていてくれる。ただ、それだけで作業は進み、無事、点検業者の方を家にあげることができました。
【片付けられない】一時的に片付けられないSD状態とボディダブル
「あの時、そばにいてくれる人がいて救われた・・」
私がライフオーガナイザーになろうと思ったきっかけのひとつです。
後にライフオーガナイズを勉強して知ったことですが、私が陥ったのは、
SD(situational disorganization一時的に片づけられない)状態。
環境の変化により一時的にオーガナイズできない状態だったということ 。
そして、義母が私に付き添ってくれ片づけをすすめられたのは、
ボディダブルという、片付け時に有効な手段だということを知りました。
片付けに困った人が、付き添ってくれる相手の中にもう一人の自分を見て、作業に集中することができる、という方法です。
私も実際、片付け作業に行くと「ひとりじゃ無理だけど、あなたが一緒にいてくれると続けられる」と言ってもらえることがあります。
【片付けられない】ひとりでがんばらなくていい
SD状態は環境の変化、病気や離婚、家族との死別など、誰もにも起こり得ることです。
あの頃の自分や、今、困っている人に伝えたいことがあります。
「〇〇しなきゃ」とか「〇〇すべき」という考え方は、自分を追い込みつらくさせます。
困っている自分を認め、ひとりでがんばろうとしない、誰かに頼ってかまわない。
もし、あなたのまわりに困っている人がいたら、「誰にもあること、決して恥ずかしいことではないよ」と伝えてほしいです。
そして、私達、ライフオーガナイザーを頼ってください。
この記事が必要な方に届けば幸いです。